認知症を患った祖母の介護を手伝った経験について

それまではずっと健康で大きな病気一つした事の無かった祖母が、80歳になってすぐのころに歩行中に転倒してしまい大腿骨骨折をして、その修復手術のために3週間ほど入院生活を送った事がもとになり認知症が発症してしまいました。最初の頃は、物忘れが酷くなり会話をしていたも何度も同じ事を聞いてきたりといった程度だったのが、手術後半年経った頃から、昼夜逆転の症状が出てくるようになったり、料理の手順が分からなくなってしまったりという事が次々に起きるようになってしまいました。それでもこの頃は祖母を一人で家でお留守番してもらう事は何とか可能でしたが、1年後には状況はもっと深刻になっていきました。
もともと身体の弱い母に代わって、長年に渡って料理を担当していた祖母だったのでキッチンに入る事が好きでした。そのため、認知症になってからもキッチンで料理をしようとするのですがうまく行かず、お鍋を火にかけたままその場から去ってしまい、お鍋を丸こげにしてしまうという事件が何度も起こってしまったのです。他にもトイレの場所が分からなくなってしまって、何度も失敗をしてしまったりと急激に症状が悪化して行きました。これらの事をきっかけに、完全に介護生活に入る事になりました。
母は、身体が弱く祖母の介護をすべて任せる事は出来ず、私も当時フルタイムの勤務からパートタイム勤務に変えてもらい、出勤も週に3、4日という形にしてもらいました。この点は会社の理解があったので本当に助かりました。母の体調の良い日には、ちょっとしたお世話を手伝ってもらいながら、主に私が中心となって祖母の介護をすることになったのです。
毎日の介護が続くと、私の方も精神的に参ってしまう事が多くなり、少し介護うつのような状態になってしまうぐらいに追いつめられてしまった事も一時ありました。何よりも私が小さい頃からたくさん可愛がってくれた祖母が私に対して憎まれ口を聞いてくるようになったり、怒鳴ったりと言った事が本当に精神的に辛かったです。そういったに詰った気持ちを少しでも解放する為にデイサービスの利用をしたり特養でのショートステイをさせてもらったりして息抜きが出来る期間を作るようにしました。
介護の月々の費用は、おむつ代やデイサービスなどの利用だけでしたので、介護保険も利用出来ましたので月々3、4万程度でしたので特別負担が大きいという事はありませんでした。
現在は、ようやく3年順番待をしていた特養への入所が決まり祖母も、家で暮らしている時よりも穏やかな表情になって私たち家族も救われるような気持ちになりました。やはり親族の介護というのは想像以上に厳しいものです。家族だからこそ認知症を患っている祖母は当たり散らしたり責め立てたりしてくるのです。介護している人間としてはこれほど辛い事はありません。でも絶対に無理をしすぎない事が大切だと思います。私たちが身体を壊してしまっては元も子もないのだと強く思います。
介護を始めようとしている皆さんには、是非頑張りすぎない勇気を持つ事をおすすめします。

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